白地に赤の看板が目立つ。店先にはショーケースが置かれている / はね海老

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「ただいま」、「また来たよ」。そんな会話が自然と飛び交う食堂の風景。昔から変わらぬ味で、変わらず地元の人々の胃袋を満たし続ける、それが大衆食堂の醍醐味。心休まるひと時を求めて訪れる人は絶えない。そこで出合えるのは本当の"なごやめし"と人との温かな交流。あなたもお気に入りの帰りたくなる場所を見つけてみては?

【写真を見る】2種類ある日替りランチ(750円)。カニクリームコロッケには、タマネギとピーマン、ハム、カニ身が入る / はね海老

■ 変わらないエビフライの極意「はね海老」

創業は1953年以前。昭和の香りが漂う円頓寺(えんどうじ)商店街の一角で、昔からあるメニューのほとんどを現在も継承している。名物であるエビフライはブラックタイガーを使用。前日に殻をむき、当日の朝にさばく。そして、本間製パンの粗めのパン粉を付け、大豆のしらしめ油でカラッと揚げる。開いた1尾に斜めに切った半身を重ねて揚げるので、プリプリで食べごたえ抜群!容易ではない職人技により、エビフライはピンとまっすぐで見た目が美しいのが特徴だ。

ランチは、エビフライに加えてトンカツや貝柱フライなど、もう1種類のフライが1皿にのる。ランチ以外の2種盛り定食(900円)は組み合わせ自由で、決められた5種類から2つを選ぶことができる。

■住所:愛知県名古屋市西区那古野1-20-37 ■電話:052-551-1671 ■営業時間:11:30〜14:00 ■定休日:日曜 ■席数:28席(喫煙可) ■駐車場:なし ■アクセス:地下鉄鶴舞線丸の内駅、桜通線国際センター駅より徒歩7分

■ 思わず"ただいま"と言いたくなる「河正」

百貨店やファッションビルが立ち並ぶ矢場町と大須を結び、若者も多く行き交う大津通沿いにある。1976年創業で、うどんや日本そば、きしめん、中華そばといった麺類と丼物をそろえるうどん店。澄んだ鶏ガラスープになめらかな中華麺、自家製チャーシュー、メンマ、かまぼこ、ネギがのった中華そばは、コクがありながらも後味はあっさりしているホッとする味だ。

"カツのせ"と呼ばれるご飯物は、名古屋の老舗食肉専門店・スギモトから届く上質な豚肉を使ったもの。なかには中華そばに投入して楽しむ客もいる。このほか、カツ丼(780円)やきしめん(450円)も人気だ。店主の優しさがあふれた会話や心からの笑顔、客を思いながら作る料理が、「また来たい」と思わせてくれる。

■住所:愛知県名古屋市中区大須4-1-76 ■電話:052-243-2002 ■営業時間:11:30〜19:00、水曜〜17:00 ■定休日:日曜・祝日 ■席数:22席(喫煙可) ■駐車場:なし ■アクセス:地下鉄名城線矢場町駅より徒歩5分

■ 浅田真央さんも愛した老舗の味「互楽亭」

世界的なフィギュアスケート選手を多数輩出していることで知られる、大須スケートリンク(名古屋スポーツセンター)。そのすぐ近くに店を構える、1933年創業の大衆食堂だ。ずっと変わらずこの場所で食堂を営んでいる。どのメニューにも使われるダシは、毎朝7時半ごろからムロアジとサバで取っていて、その出来への店主のこだわりは強い。

具材のチャーシューは店主の自家製。ほかにかまぼこやハム、タマネギなどが入ったチャーハンは、醤油ベースの和風味付けで仕上げている。オリジナルのアレンジを加えながらも、昔からの味付けを変えずに守っているのが、愛され続ける理由だ。

■住所:愛知県名古屋市中区大須2-24-28 ■電話:052-231-0505 ■営業時間:11:30〜14:00、17:30〜21:00(LO) ■定休日:月曜・火曜 ■席数:27席(喫煙可) ■駐車場:なし ■アクセス:地下鉄鶴舞線大須観音駅より徒歩2分(東海ウォーカー・山田瑠美)